生臭さを見事に消します。醤油をつけて刺身を食べるのは、醤油が生臭さを消す大きなはたらきを持つからです。日本料理の下ごしらえにある「醤油洗い」は消臭効果を利用して、魚や肉の臭みを消しているのです。
食欲をそそるあの色、あの香り!醤油と砂糖、みりんを合わせて加熱すると、アミノ酸と糖分がアミノカルボニル反応を起こして、あの香りと美しい照りが生まれます。これが、蒲焼、焼き鳥、照り焼きなどの美しい色と香りの理由です。
塩分と酸が日持ちを良くします。醤油には塩分と有機酸が含まれているため、大腸菌などの増殖を止めたり、死滅させる効果があります。醤油漬けや佃煮など、昔ながらの常備菜はこの効果を利用し、日持ちを良くしています。
甘味をより一層引き立てます。例えば、甘い煮豆の仕上げに少量の醤油を加えると、甘味がとても引き立ちます。おしるこの仕上げに塩をひとつまみ入れるのも、同じ効果です。
塩味が不思議と和らぎます。漬かりすぎた漬物や塩鮭など、塩辛いものに醤油をたらすと塩辛さが抑えられることがあります。これは醤油の中に含まれる有機酸類などに、塩味を和らげる力があるためです。
出汁と醤油は相性抜群。醤油の中のグルタミン酸と鰹節の中のイノシン酸がはたらき合うと、深い旨味がつくりだされます。このように混ぜ合わせることにより、両方の味が一緒に強まることを、味の相乗効果と呼びます。そばつゆや天つゆなどが、この良い例です。